寄付を行う団体を探し始めると、分野別に非常にたくさんの寄付先があることがわかります。また、インターネットによる寄付方法にも多様性が見られ、時間・場所にとらわれることなく、容易に寄付を行う環境が提供されています。海外向け・国内向け、それぞれ独自の取り組みを行う寄付団体12選を紹介します。
海外向け寄付団体6選
海外向けに寄付や募金をしたいと考えた場合、どのように団体を探せば良いのでしょうか。
海外向けの寄付団体では、例えば赤十字のように誰もが知っている団体もありますが、他にも規模の大小問わず非常にたくさんの団体がありますし、団体によって寄付の目的や活動内容、特徴も異なります。
例えば、募金や定額の寄付金などの資金面での援助以外にも、家庭に眠っている不要な生活用品を引き取って、海外の恵まれない境遇の子供たちに送ってくれるリサイクルやリユースなど物品での寄付もあります。
1. 日本ユニセフ協会
日本ユニセフ協会は先進国を中心に34の国と地域に置かれているユニセフ協会の一つであり 、ユニセフ本部や現地事務所と連携をとりながら、募金や広報など様々な活動を展開している団体です。
参照:https://www.unicef.or.jp/library/pdf/jcu_nenjirep2018.pdf
ユニセフは世界中の子どもの命と健康を守ることをそのミッションとして活動しており、幅広い支援活動を行っています。そのユニセフの活動を支える募金活動においては、様々な募金方法が用意されており、誰でも気軽に寄付してもらえるような対応を取っています。
例えば、『ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム(つなぐよ子に)』という募金プログラムは、ご自身で決めた任意の金額を毎月自動的に銀行・郵便口座・クレジットカードから募金することができるものです。この募金によって世界で安全な水が飲めない地域に井戸を設置したり、栄養不良の子どもに治療食が支援できたり、予防接種用のワクチンや保健員の研修費用に活用されたりします。
もちろん、定額でなくてもインターネットから随時募金することができるプログラムや、海外旅行で使った外貨をコインや紙幣のまま募金できるプログラムなどもあります。他にも、ウォーキングイベントの参加費が募金になるという「ユニセフ・ラブウォーク」などのイベント性のある寄付活動を行っていていることも特徴です。
日本ユニセフ協会は1955年に設立された、歴史のある団体で、信頼性という意味でもおすすめできるでしょう。
2. フリー・ザ・チルドレンジャパン
フリー・ザ・チルドレンジャパンは、1995年にカナダで設立された国際協力団体です。この団体は当時12歳だったクレイグ・キールバーガーという少年が発足したものであり、貧困で学校にも行けず働かされている子どもの姿を見たことがきっかけで設立されました。
当初は『子どもでできることはない』などと言われていましたが、活動を続けていった結果、発展途上国に1,000校以上の学校建設を実施し、約20万人が教育を受けられる環境を作り上げたのです。日本では1999年に支部が設立され、現在も積極的に活動を行っています。
主な寄付の種類としては、「キッズパワーサポーター」という月額500円から世界中の子どもたちを継続的に支援するものがありますが、他にも文房具や書き損じハガキ、古本など、身近な所から始められる物資の寄付があることも特徴です。
子どもの権利を守りたい、支援したいと考えている方は、フリー・ザ・チルドレンジャパンからの寄付をおすすめします。
3. 日本救援衣料センター
日本救援衣料センターは、1982年に設立された寄付団体で、世界中の難民・避難民・被災者を対象に衣料品の寄贈を行っていることが特徴です。
いらなくなった衣料品があれば郵送して寄贈することが可能です。いくつか寄贈できるものに条件があるので、必ず公式ホームページをチェックしてから郵送するようにしましょう。
また、郵送だけではなく全国で衣料品収集会を開催しており、会場に持ち込めば郵送の手間がかからず直接寄贈することが可能です。衣料品を世界中で困っている人たちに贈りたいと考えている方は、会場に足を運んでみましょう。
4. ユナイテッド・アース
ユナイテッド・アースは、2006年に貧困地域へ向けた自立支援活動や環境保護活動などの社会問題に取り組むために設立された団体です。活動内容は幅広く実施しており、現在でも支援を進めています。
例えば、新しい社会モデルを作り上げるために再生可能エネルギーの普及推進や、自立型・循環型の環境に特化した町づくり推進、災害が発生した地域への復興支援、海外自立支援、ゴミ拾いなどの環境保護活動などを実施していることが特徴です。
活動例としては、カンボジアの井戸堀やトイレ設置、中国四川省の子供の自立支援活動、ケニアのソーラー発電の支援などが挙げられます。そして、これらはクラウドファンディングのようにインターネット上から、すぐに寄付を申し込むことができ、目標額や現在集まっている金額もチェックすることが出来ます。
特に社会貢献・環境保護の観点で積極的な活動が見られるため、興味があること、支援したいことがあれば、ユナイテッド・アースから寄付を行ってみるのもおすすめします。
5. ワールド・ビジョン・ジャパン
ワールド・ビジョン・ジャパンは、キリスト教の精神に基づいて活動し開発援助や緊急人道支援、アドボカシーを行う国際NGOです。ワールド・ビジョンの創設者はアメリカ生まれのキリスト宣教師ボブ・ピアスで、1950年9月にアメリカのオレゴン州で「ワールド・ビジョン」を設立しました。「すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かに何かはできる」という考えをもとに支援を行っています。
現在では、国連経済社会理事会に公認・登録され、約100の国と地域で援助や支援、活動の輪を広げています。宗教や人種、民族、性別は関係なくすべての子どもたちが健康に成長できる世界を目指すためには、多くの人々からの募金や寄付、支援が必要です。
ワールド・ビジョン・ジャパンの活動を支える募金活動は様々な方法が用意されています。例えば、『チャイルド・スポンサーシップ』という募金プログラムは、月々4,500円で1日あたり150円の継続支援による募金方法です。この募金によって貧困で苦しむ子どもたちの保健・栄養改善をしたり、子どもたちに教育の場を整えたり、子どもたちの保護活動に活用されています。
支援すると子ども成長報告書が届いたり、子どもたちと手紙を通じてやり取りをしたりすることも可能です。「顔が見える」支援だからこそ成果を感じながら、心のつながりを持って支援を続けられるという魅力があります。
ワールド・ビジョン・ジャパンは全国に6万人を超える個人の支援者や約3,000の法人・団体支援者がいて、信頼性の高い団体と言えるでしょう。
6. セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
セーブ・ザ・チルドレンとは、子どもに対する支援を行っている民間・非営利の国際組織です。1919年にイギリス人女性のエグラタイン・ジェブによって創設されました。日本では、1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが設立され、国内外で地域社会や行政と協力しながら活動を行っています。
現在では、日本を含む29ヶ国のメンバーが連携して約120ヶ国で子ども支援活動を広げています。国連や各国政府からも専門性を認められ、子どもの権利のパイオニアとして世界中
で変革をもたらしているようです。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子どもの発達・栄養面のサポートや学習環境の確保・整備、虐待などを受けている子どもの保護など、様々な面から子どもたちのサポートを行っています。この活動を続けるには支援が必要であり、様々な方法で寄付を受け付けています。
毎月寄付(SCサポート)をする場合は、月々1,500円から寄付ができます。自分に合った金額で支援をすることができ、定期的に会報誌や年次報告書が届くようです。他にも、季節募金では3,000円以上から1,000円単位での寄付が可能で、春夏秋冬季節ごとにテーマを設定して寄付を行っています。
支援方法にも様々な種類があり、直接寄付する以外にもポイント・マイルによる支援やメルカリ寄付など、提携サイトなどでも寄付が可能です。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは政府からも認められている信頼できる団体のため、安心して支援できるでしょう。
海外向け団体まとめ
海外向けに独自の活動を行う4団体を紹介しました。最近では、スマホを使って、すぐに海外への寄付を行うことも出来ることも多くなってきましたね。
個人でも小さな額から寄付が出来るので、気になった団体を見つけたらWEBサイトで調べて寄付をしてみましょう。
国内向け寄付団体6選
海外向けへの支援として独自の取り組みを行っている団体を紹介してきましたが、国内で独自な取り組みを行っている団体も沢山あります。
最近では、寄付の方法にも多様性があります。街頭募金、コンビニのレジ横の募金箱などに自らチャリンとお金を入れるだけではありません。1999年から始まったドラえもん募金など電話で行うものも一般的になってきましたし、パソコンやスマホの普及によりネットでも気軽に寄付が出来るようになりました。
また、寄付や募金の目的も団体によってさまざまで、「このお金や物資はこの支援のために使われる。」と明確にしている団体も多いのです。
1. フローレンス
フローレンスは、日本の様々な社会問題に立ち向かうべく設立された団体です。特に育児に関する社会問題を中心に取り組んでおり、様々な支援活動を実施しています。
例えば、子どもは大人に比べて免疫力が不十分であるため、風邪やアレルギーなどの症状を発症しやすく、保育園でも他の子に感染しないよう37.5度以上の熱があると預かりを拒否されてしまいます。
しかし、近年は共働き世帯・片親世帯も多く、仕事を休まざるを得ない状況になり、子育てと仕事の両立ができなくなってしまいます。そこでフローレンスは2005年から自宅訪問型の病児保育を実施し、子育てと仕事の両立が当たり前のようにできる社会を目指しています。
寄付の方法としては、1日100円から行えるマンスリーサポーターがありますが、他には、WEBサイトからの寄付も受け付けています。クレジットカードだけではなく、Amazon payでの募金が出来るのも特徴です。
他にも待機児童や虐待死問題やひとり親家庭支援など、多くの子どもの支援に携わっているので、このような子供の課題を解決することに繋げたいという方におすすめです。
2. シビックフォース
シビックフォースは2009年に設立された公益社団法人で、大規模災害が発生した際に団体や企業、行政などが支援で連携するためのプラットフォームの構築から、支援事業を実施している団体です。
シビックフォースでは、災害支援をメインに活動を行っており、例えば東日本大震災では緊急支援物資の調達から配送、手作り風呂の設営・運営、社員ボランティアの派遣など、生活に関わる様々な支援を行ってきました。
最近では北海道胆振東部地震の支援活動を行っており、発災日から行方不明者の捜索活動に参加したり、支援物資の調達・配送事業を手掛けたりしていました。
寄付は、銀行や郵便局以外にオンラインからも行うことができます。その他の面白い取り組みとしては、自販機設置での災害被災者支援があります。設置した自販機からの売上を寄付することが出来ます。
被災地、被災者支援を行いたい方は、こちらから寄付してみるのはいかがでしょうか。
3. 森づくりフォーラム
森づくりフォーラムは、日本国内における森林を守る団体で、2000年から特定非営利活動法人として設立されました。これまで森林を守るための活動を数多く実施してきており、中には自治体から受託されて調査を行ったり、森林について学ぶためのフォーラムを開催したりしています。
森林と現代社会をつなげるための活動を行う森づくりフォーラムでは、クレジットカードや郵便振替から寄付することが可能です。クレジットカードを使った寄付なら毎月定額で寄付することもできます。
また、寄付だけでなく森づくり活動にも興味があるという方は、入会も検討してみましょう。
入会には年会費がかかりますが、森づくりフォーラムが実施している体験活動やシンポジウム、イベントなどに会員割引で参加でき、活動レポートや報告書などを受け取ることができます。
4. チャンス・フォー・チルドレン
チャンス・フォー・チルドレンは、各家庭の経済格差によって生じる子どもの教育格差を解消するために設立された団体です。2009年に発足されてから経済的な理由で教育が十分に受けられない子どもや若者、さらにその家族を支援する活動に取り組んでいます。
海外の貧困地域ではよく子どもが十分に教育を受けられないと取り上げられていますが、実は日本でも教育格差は発生しており、厚労省による調査では子どもの相対的貧困率は13.9%で先進国34ヶ国中10番目に高い数字であることが分かっています。
教育格差が生まれると低学力・低学歴になってしまい、大人になっても経済的貧困に悩まされてしまいます。こうした世代間連鎖をなくすために、チャンス・フォー・チルドレンは活動しているのです。
寄付金は学校外教育バウチャー費や学生ボランティアの研修などその他事業費、管理スタッフの人件費などに充てられています。
学校外教育バウチャー・プロジェクトはvalue booksと連携することで実現されたプロジェクトで、家庭や会社で不要になった古本を回収することで、経済的に恵まれない子供や東日本大震災で被災した子供たちを支援するという取り組みです。
5. 桜ライン311
桜ライン311は2011年3月11日に発生した東日本大震災で受けた悲しみ・後悔を繰り返さないため、桜の植樹事業や普及啓発活動を通して後世に伝える活動を行う認定特定非営利活動法人団体です。
3月11日に襲った津波の最大到達地点を桜の木でつなぐ活動や被災地への支援活動を行っています。
このような活動を支えるためには多くの人々からの募金や寄付、支援が必要です。桜ライン311の活動を支える募金活動は様々な方法が用意されています。
毎月定額寄付制度「マンスリーサポーター」は、クレジットカードを使った寄付制度です。毎月自分が定めた金額が自動で決済されるため、手軽に継続的な寄付ができます。この募金によって、陸前高田に津波が押し寄せた時、多くの人々を守るための目安となる津波到達地点に桜の木を植える活動に使われます。
他にも本による寄付など、使わなくなった物を寄付することで活動の支援ができます。寄付以外にも植樹会や桜のお手入れなどにボランティアとしての参加も可能です。
6. ピースボート災害支援センター
ピースボート災害支援センターは、災害支援が専門の非営利団体になります。ピースボート災害支援センターが取り組むのは、「被災地での救援活動」と「災害に負けない環境づくり」です。
災害が起きると、住む場所や食事、仕事などの様々な問題が発生します。問題解決の手助けのために、いち早く現場での調査やボランティアの派遣を行っています。また、いつ起こるかわからない次の災害に備えて、家族や自分自身を守るための防災教育にも力を入れています。
ピースボート災害支援センターは、非営利団体で、これらの取り組みは、寄付や助成金によって運営・提供されています。今なお苦しい思いをしている被災者や、今後の災害に備えて必要とされているのが「支援金」です。
サポーターとして毎月の寄付や1回のみの寄付などの様々な寄付の方法があります。通常、寄付と聞くと口座への振り込みやクレジットカードなどをイメージされる人が多いでしょう。しかし、現金以外にも自分の家にある「価値のある物」でも募金は可能です。
中古本や家具、骨董品など自宅で眠っているものを買い取り業者に郵送するだけで、買い取り金額が寄付される仕組みです。「お宝エイド」や「ありがと本」で買い取り・寄付が可能となります。他にもワンクリック募金や、携帯料金と一緒に寄付できる方法もあります。いらないからと言って処分するのではなく、必要としている人のためにも寄付してみてはいかがでしょうか。
国内向け団体まとめ
国内の寄付団体をご紹介してきましたが、気になる団体は見つかったでしょうか。今回紹介した中でも行っている取り組みや実績などに違いがあります。特徴が異なっているため、それぞれの団体がどのような活動を行っているのかチェックしつつ、興味があるところに寄付してみてください。